酒游舘・西村 明
私は1988年秋に近江八幡市に戻り家業に就きました。街に疎くなっていた私に妹がおすすめの飲食店を教えてくれました。その中に中華料理店の鳳仙がありました。ここの「もやしそば」はあっさりした醤油味で、とろ味があり好みでした。600円やったかな。
鳳仙の跡地に出来たのが壱製パン所。あの美味しい街中華の店主の息子さんがやってはるなら期待出来ると思いました。
私は、バゲットはどこのパン屋のでも大差ないと高を括っていました。ところが壱製パン所のは、噛むほどに味わいが深く感心しました。
谷さんはブルースに凝ってはります。私に会うと二言目には「明さん、(酒游舘で)ブルースのライブ演って下さいよ!」。
氏に目隠しで井上堯之のソロアルバム「IT’S NEVER TOO LATE」をお聴かせした事があります。イギリス録音、ゲストにミック・テイラー、リチャード・ベイリー等。レコードを掛けるなり谷さんは「これ日本人でしょう?」。身銭を切ってブルースに注ぎ込んではるなと感心しました。私は谷さんの発言に一目置く様になりました。
人間に一番大事なのは情報に裏付けられた直感やと思います。谷さんはアンテナを常に伸ばして様々な情報を仕入れてはるので尊敬しています。
ゲーテ曰く「直感は過たない。過つのは判断だ」